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やさしい“新聞編集”教室

第1章 新聞(機関紙・広報)とはなにか

04年3月19日更新

日本機関紙協会埼玉県本部 芳野政明 

さてAさん!あなたは、機関紙担当になった組織以外に、どんな団体に所属していますか。老若男女、誰もが何らかの組織・グループ・サークル…じつにさまざまな団体に所属しながら生きているのが人間ですよね。

どんな団体にもかならず、実現したい「目的」「目標」「役割」があります。社会的な存在意義や目的にかなった働きができなくなると、その団体は存続できず、消滅の道をたどります。団体に所属する構成員は、「目的」や「意義」に賛同し、必要性を感じて入会・参加してこられた方々です。

こうしてできた団体は、目的実現や役割を担うため、さまざまな活動を展開します。

構成員の自主性・自発性を尊重しながらも、個々バラバラの活動ではなく、団体として団結・連帯しての要求実現や課題解決をめざす統一・連帯した取り組みが必要なのです。

組織活動の前提=情報を共有する「機関」の新聞

組織活動のかなめは、執行部・役員会があたります。執行部や役員会は、幹事会・理事会・役員会・執行委員会…など、各団体で呼称が違います。これら一般的には「機関」と総称されます。

各団体の執行部(機関)は、組織をリードする文字どうり「機関車」の役割を担います。「機関」が責任を持って出す新聞紙(誌)を、「機関紙(誌)」と呼んできました。団体の構成員に必要な情報の共有や知識の提供を行う「道具」として、機関紙が団体の運営に欠かすことのできない「手段」として、どの団体も発行していますし、内容をより充実していく努力をしています。

「機関紙」のほかに、「広報紙」という呼び方もあります。これは一九四五年の日本の敗戦後、連合軍の占領政策のなかで、公的団体や民間団体に、「公衆との良好な関係を築くため」、広聴・広報の大事さが強調され、義務づけました。英語の PublicRelation(パブリック・リレーション)(略してPR)の日本語訳が「広報」となったのです。政府や自治体、PTAなど、戦後発行されるようになった団体のものは、「広報紙(誌)」と呼ばれるのが一般的になりました。しかし、広報紙も機関紙も、同様の意味や機能・役割をになっているのです。

新聞(機関紙・広報紙)発行にあたっての押さえどころは次のようなことです。

  1. 定期発行を厳守する
    週刊、月刊、季刊など発行間隔はさまざまですが、その団体の力量(ヒト・モノ・カネ)と組織運営の必要から、頻度を決めてください。ただし定期発行は大原則です。そのためには、製作ローテーションを確立し、厳守することが定期発行につながります。
  2. 企画の総合性
    お知らせや方針の掲載だけでなく、豊富な情報と多彩な企画を読者に提供する
  3. 仲間をたくさん登場させる
    構成員をできるだけ登場させ、ナマの声など読者が身近に感じられる新聞に
  4. 取材して説得力ある記事を
    事実に基づく説得力ある記事を中心にするために取材を重視する
  5. 写真やカットなどを活用し、読みやすく、明るい紙面づくりをする

図1
製作ローティション
(企画構想)

1.企画編集会議
(場合によってラフレイアウト作成)
(原稿依頼・字数割り出し)

2.取材・執筆

(原稿締切)
原稿整理・点検

3.レイアウト

4.見出し付け

5.版下作成(DTP作業)

6.初校(直し作業)
再校(直し)
最終校

7.印刷

8.配布(読者の反応確認)

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