1月12日付けの週刊福祉新聞によると、厚生労働省は、省内に「介護保険制度改革本部」を設け、介護保険法の改正に向けた準備を始めたと報じています。
同紙によると、介護保険の被保険者の範囲の拡大、支援費制度との統合などの制度全般を見直し、来年の通常国会へ法案を提出し、2006年4月から新制度の開始をめざしている、としている。
現在、ヘルパー派遣など両制度の間に共通点があるが、利用者の費用負担が、介護保険は、利用者が本人の所得に関係無く1割負担なのに対して、支援費制度は、原則本人の所得に応じた負担となっているところに大きな違いがあります。また介護保険は被保険者の保険料と税金で賄っているのに対して、支援費は、原則、税金で賄っています。
また被保険者範囲の拡大というのは、現在介護保険の被保険者は40歳以上で、これらの人から保険料を徴収していますが、両制度を統合して20歳以上の人から保険料を徴収するということになると、今後、支援費をダシにして、新たな国民負担の増大を招くことになりかねません。
さらに、現在、介護保険と支援費制度が別建てとなっているので、曲がりなりにも、障害者に対応できるヘルパーの養成が進んでいるのに、両制度が一緒になることにより、障害者への支援が大きく後退する恐れがあります。
2000年(平成12年)に社会福祉事業法が、「社会福祉法」に改正されたのに伴い、市町村は「市町村地域福祉計画」を、また都道府県は、「都道府県地域福祉支援計画」をつくることになりました。
埼玉県では、2000年8月から昨年12月迄、「埼玉県地域福祉支援計画検討委員会」を10回開き、支援計画案の検討を行なってきました。その結果、このほど支援計画案がまとまったということで、1月26日まで県民コメントを求めると同時に、「意見交換会」を1月8日から、22日まで県内5か所で開いています。
「地域福祉計画」は、「地域住民の皆様の意見を十分に反映させながら策定する計画であり、今後の地域福祉を総合的に推進する上で、大きな柱になる」(厚生労働省ホームページ)ということですから、今後、市町村地域福祉計画の策定については、障害者団体なども大いに意見を出していく必要があります。
県の支援計画の住民意見を聞くやり方は、暮れも押し詰まってから、障害者団体に通知をし、短期間のうちに県民コメントを求め、「意見交換会」を開くということです。これでは、障害者団体などは、原案について討議する時間もなく、果たして、これで法律のねらい通りとなるのか疑問です。(K)